はじめに

2020年にオリンピックを開催する東京は、人類史上でも有数の繁栄を謳歌する都市です。世界中の娯楽、料理、サービスを享受することができます。東京を中心とする首都圏は、都市圏の人口としては世界唯一3,500万人を超えており、今もなお人口面で膨張を続けております。人材を集めるだけでなく、あらゆる物資、業務、情報の集積を続けております。

この21世紀に入った現在、東京を含む、日本全体が、数百年振りの大きな構造変動を体験しようとしております。

既に少子化による日本の人口減少が始まり、必要な働き手の確保が困難となりつつあります。現に、東京の飲食店やコンビニエンスストアでの就労者に占める外国人の割合が増えていることは、多くの方が目にされているはずです。また少子化及びそれに伴う高齢化は、今までの日本の安心の支えであった、社会保障制度の将来的な存続を危ういものとしております。

また、一昔前まで当然のものとして受け入れられていた企業モデルである「終身雇用制」は、経済のグローバル化進展等の理由で、過去のものになりつつあります。

日本人の精神性は、世界の中でも比較的温暖な気候に恵まれ、広大でなくても豊穣な田畑から得られる作物により、「一家がつつましく暮らしていくことが出来る」状況を基盤として、育まれたと考えております。近代化が進む中でも、この精神性は生かされ、製造業を中心とした企業が採用した「終身雇用制」の下で、長期間にわたり同一の会社と従業員で安定的な関係を構築し、また従業員全員が企業全体の利益向上と生産量の拡大に貢献することを通して、「つつましく暮らしていくことが出来る」給与が、安定した取り分として、各従業員に還元される仕組みを作ってきました。

昨今の構造変動は、特に江戸時代以来育まれた上記の精神性及び構造について、今後のありかたが問われるものであります。日本人の培ってきた「精神性」それ自体の基盤が、大きく揺らいでいる時代であり、同時にこれからの各人の拠って立つ基盤を再構成していくべき時代と考えております。

この時代に直面する中で思いめぐらせるのは、日本人の「精神性」は、歴史の歩みの中で、数多くの多様な伝統、芸能、あるいは文化的遺産を、私たちに残してくれていることです。またこの「精神性」は、私たち一人一人の日常の生活、習慣、価値観の中に、色濃く影響を残しております。私たちの持つ「精神性」と、「精神性」を基礎とした行動は、先人たちの歩みの上に成り立っている想いが抱かずにはおられません。

東京を散歩してみると、世界でも有数の繁栄を謳歌している都市でありながら、一方で昔ながらの風情や、昔を偲ばせる痕跡を数多く見出すことが出来ます。世界文明の一つの到達点でありながら、同時に日本人の精神性が交わる、いわば「交差点」としての姿が浮かんで来るのです。

ここでは、東京の街の風景、風情に始まり、料理、芸能、娯楽などを取り上げ、今に息づく先人の日本人たちが辿った「精神性」の歩みをご紹介いたします。サイトの情報を通して、先人たちへの感謝の念を改めて思い起こし、これからの日本や日本人のあり方を考え、見出す機会として頂ければ幸いです。

 「東京乱歩」管理人